生きる意味について(2)

はたして、犬や猫は、生きている意味など考えているのでしょうか。
どう見ても考えている風はありません。
とすると、考えるのは人間だけということになります。
どうも、犬や猫は、動物としての本能だけで生きているようです。
人間も動物の一種ですから、本能だけで生きていれば、生きている意味など考えなくてもよい訳です。
万物の霊長とはいっても、人間は徹頭徹尾、動物です。
他の動物よりも多少知能が発達しているおかげで、威張っていますが、やっていることは同じです。
ではなぜ、生きている意味などという七面倒くさいことを考えるのでしょうか。
もっとも、そんなことは考えないという人もいるにはいますが。

人間は知恵のおかげで、他の動物よりも優位に立ち、今では地上の生物の支配者を任じています。
しかし知恵は諸刃の剣であり、一方において動物的生存の無意味さを暴露してしまいます。
希望は打ち砕かれるためにあるということ、幸福は幻想であり、不幸は現実であるということ、そして最後は苦痛と共に死が待っているということ。

動物にも死の恐怖心はあるでしょうが、それは死に直面したときに限られているでしょう。
人間にあっては、生きている限り、頭から離れることはありません。
人生には幾つもの艱難が待ち構えていますが、それをみごとに乗り越えたとしても、最後に死が待っています。
これほど、人生の意気をくじくことがあるでしょうか。

生きている意味を考える、などという生やさしい問題ではなく、いわば悲痛な叫びです。
さて、いったいこの苦情をだれにいえばよいのでしょうか。
自分をこの世に送り出してくれた両親といえども、いわば自分と同類です。
そんな質問をしてみたところで、ただ唖然とするばかりでしょう。
また、まわりを見渡しても、それに答えてくれそうな人は居そうにありません。
皆、自分の生活に汲々としていて、とてもそんな疑問など眼中にあるとは思えない人ばかりです。

結局、書物などで、専門家や人生の先輩、あるいは過去の偉人と言われる人たちに解答を求めることになります。
しかし、どれもこれも自分と同じ疑問を発するのみで、納得のいく解答を得られることはありません。
同病相憐れんだところで、問題は解決しませんので。

それにしても、我々の常識から考えれば、世界が現にあるのですから、その製作者なり設計者、少なくともそれを意図したもの、あるいは原因があるはずです。
それとも、この世界は突如として無から生じたとでもいうのでしょうか。
そんな非常識なことがまかり通るなら、いったい常識とは何なんでしょう。

しかし、残念ながら、この非常識なことは事実であり、これを受け入れざるを得ないのです。
ですので、我々の常識こそ事実無根であり、真実はいわば、何でも有りの世界なのです。
要するに、どう考えようと自由というわけです。
世界の創造者を神としようが、あるいは、ビックバンによって生まれたと言おうが、無限の彼方より存在していたと思おうと、まったく自由です。
どうせ分からないのですから。

問題はどう考えたら、こころの安定が得られるかということです。
迷っているのもこころ、答えを求めているのもこころ、であるならば、こころが納得すればよいわけです。
たとえ荒唐無稽な考え方であろうと、こころの平安が得られるならば、それはその人にとって真理であるといえるでしょう。

世界は神が創造したと言えば、現代では子供にでさえ相手にされないでしょう。
「何を馬鹿な、神など人間が造り出した物語にすぎない」という返事が返ってくるかもしれません。
確かに、神は人間が造り出した呼び名です。
名前や言葉には、普通、それを指し示す人なり物なり現象なりがあるはずです。
しかし、神にはそれらしき対象がありません。
現実には存在しない、人間の単なる空想の産物にすぎないのでしょうか。

しかし、実は神には根拠があるのです。
それは、こころです。
こころが求めているのです。
存在しないものをこころが求めるでしょうか。
この世で唯一確かなものは、自分のこころです。
その他のものは、全て夢まぼろしにすぎない、と言ったらびっくりするでしょうが、突き詰めて考えるとそういうことになるのです。
こころが納得するのならば、全て解決ということになります。
自分の死に際して最終的に直面するのは、自分のこころですから。

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Author:magokorokara
私は学者でも、宗教家でもなく普通の社会人ですが、人生問題に悩んでいた若い頃読んだ本を長い年月というフィルターを通してみて、あらためて考えたことを整理しながら書いています。

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